可逆性イベントの生存解析

このページでは、可逆性イベント(寛解と再燃を繰り返すなど)を考慮した生存解析の機能を提供します。 通常のKaplan-Meier法では、一度でもイベント(再燃など)が発生した時点で「失敗」として扱われますが、可逆性イベント解析では、再度良い状態(寛解など)に戻った場合も評価に含めることができます。

解説

可逆性イベントとは

可逆性イベントとは、発生しても後に消失する可能性があるイベントのことです。

  • 典型例: 白血病における寛解と再燃
    • 患者は治療により寛解(イベント消失)→ 再燃(イベント発生)→ 再寛解(イベント消失)を繰り返す可能性があります
  • 従来法の問題点: 通常のKaplan-Meier法では、最初の再燃時点で「失敗」とみなされ、その後の寛解は評価されません

CLFS と CCI

  • CLFS (Current Leukemia-Free Survival): 「現在寛解状態にある」かつ「生存している」確率
    • 再燃しても再度寛解すれば「良い状態」としてカウントされます
    • 可逆性イベントを考慮した生存率の指標です
    • Leukemia となっていますが、白血病以外にも適用可能です
  • CCI (Current Cumulative Incidence): 「現在イベント状態(再燃など)にある」累積発生率
    • 競合リスク(死亡など)を考慮します
    • CLFSの補完的指標として解釈できます(≒ 1 - CLFS)

通常のLFS/CIとの違い

比較のため、通常のKaplan-Meier法による指標も同時に表示できます:

  • LFS (Leukemia-Free Survival): 「最初の寛解を維持している」かつ「生存している」確率
    • 一度でも再燃したらその時点で「失敗」とみなされます
  • CI (Cumulative Incidence): 通常の累積発生率
    • 競合リスクを考慮した従来の方法による累積発生率です
指標 意味 再燃後の再寛解
CLFS 現在寛解状態にある生存率 評価に含む ✓
LFS 最初の寛解を維持している生存率 評価しない ✗
CCI 現在イベント状態にある累積発生率 評価に含む ✓
CI 通常の累積発生率 評価しない ✗

群間比較

群間比較は、Klein et al. (2007) の手法に基づき、固定時点での生存率の差を検定します。

  • 各時点(例: 12ヶ月、24ヶ月)での群間の生存率に統計的に有意な差があるかを評価します
  • Kaplan-MeierのLogrank検定とは異なり、「観察期間全体」ではなく「特定時点」での比較となります
  • 臨床的には「1年生存率に差があるか」「2年生存率に差があるか」という具体的な時点での評価が可能です

群間比較は、必要最小限のデータをクラウドに送信し、R にて解析を行います。

設定

  • 観察期間の変数: イベント発生または打ち切りまでの時間
    • 単位は「日」で入力してください
    • 結果は選択した単位(日・週・月・年)で表示されます
    • 日付データを観察期間として使用する場合は、「データ処理」メニューの「日付・時刻計算」機能にて事前に差分を日数に変換してください
  • イベント変数: 終点イベント(死亡など)の有無を示す変数
    • ユーザーは任意の値をイベント発生・打ち切りとして設定できます
    • デフォルトでは “1” がイベント発生、“0” が打ち切りを意味します
    • どちらか片方だけを指定し、もう片方は「それ以外」にできますので、必ずしも二値変数でなくとも構いません
  • 状態変化時点の変数: 患者の状態が変化した時点を示す変数(単位は日
    • 状態が変化した時点を順番に指定します
    • 例(白血病の場合):
      • 1. 消失 = 最初の寛解時点
      • 2. 発生 = 最初の再燃時点
      • 2. 消失 = 2回目の寛解時点
      • 3. 発生 = 2回目の再燃時点
    • 空欄・NAは「その時点まで到達していない」として扱われます
  • 群別する変数: 異なるグループや治療法に基づいてデータを分類します(オプション)
    • 群間比較を行う場合に指定します
  • 表示する曲線:
    • CLFS: 可逆性イベントを考慮した生存率(推奨)
    • CCI: 可逆性イベントを考慮した累積発生率
    • LFS: 通常のKaplan-Meier法による生存率(比較用)
    • CI: 通常の累積発生率(比較用)
  • 表示設定:
    • 横軸の単位: 日・週・月・年から選択
    • 95%信頼区間: 塗りつぶしまたは点線で表示
    • 線の太さ: 1〜10ピクセル
    • X軸の目盛間隔: 任意の間隔を設定可能

アプリ

データ

設定

状態変化時点の変数 (状態が変化した時点を順番に指定・単位は日)
(最初に良い状態になった時点)

※ 空欄・NAは「その時点まで到達していない」として扱われます