複数の説明変数によるデータ分析 (多変量解析)

数多くの機能追加を行いましたので、その内容をまとめました。 バージョンアップレポート

解説

このページで実行可能な分析手法

手法 目的変数 説明変数 主な用途
多元配置分散分析 (ANOVA) 連続変数 カテゴリカル変数 群間の平均値比較
ロジスティック回帰モデル カテゴリカル変数 連続/カテゴリカル 分類問題の解決
ポアソン回帰 カウントデータ 連続/カテゴリカル 稀な事象の発生予測
判別分析 カテゴリカル変数 連続変数 グループ分類・判別
順序ロジスティック回帰 順序カテゴリカル 連続/カテゴリカル 順序データの予測
共分散分析 (ANCOVA) 連続変数 連続+カテゴリカル 共変量を制御した群間比較
重回帰分析 連続変数 連続/カテゴリカル 連続値の予測
多変量分散分析 (MANOVA) 複数の連続変数 カテゴリカル変数 多変量の群間比較
主成分分析 (PCA) なし 複数の連続変数 次元削減・データ要約
因子分析 なし 複数の連続変数 潜在因子の特定

古典的手法の制限事項

これらの古典的手法は広く知られていますが、以下の点に注意が必要です:

  • 前提条件: 独立性、正規性、等分散性などの仮定
  • データ構造: 複雑なデータ構造では解釈が困難
  • 欠測値: 適切な取り扱いが必要
  • 多重比較: 複数検定による第1種エラーの増大

その他の多変量解析手法

その他の多変量解析手法は以下のページから利用できます。

反復測定や経時データ、階層構造を持つデータの分析には、以下の比較的モダンな手法の利用を検討してください。

観察データからの因果推論には、以下の手法が利用可能です。

  • 傾向スコアマッチング (Propensity Score Matching, PSM): 観察データにおいて、治療群と対照群の共変量のバランスを調整し、因果効果を推定する手法です。各個体の治療受領確率(傾向スコア)に基づいてマッチングを行います。
  • 逆確率重み付け (Inverse Probability of Treatment Weighting, IPTW): 傾向スコアの逆数を重みとして用いることで、全データを活用しながら共変量のバランスを調整し、因果効果を推定する手法です。

適用可能な手法の判定

多変量解析は、複数の説明変数を用いて、一つまたは複数の目的変数を分析する統計手法です。

統計手法選択の重要性

適切な統計分析のためには、研究仮説データの性質の両方を考慮した手法選択が不可欠です。 データ形式や前提条件が満たされていない場合、分析結果の解釈が困難になり、誤った結論に至る可能性があります。

探索的分析支援システム

Reactive Statでは、データの特性を客観的に評価し、適用可能な統計手法を候補として提示することで、次の機能を提供します

  • 教育的価値: 各手法の適用条件と制約の理解促進
  • 予備的検討: 本格的な仮説検証前の探索的分析
  • 品質管理: データの前提条件チェックと診断
  • 学習支援: 統計手法の選択理由と解釈方法の習得

統計的推論における重要な注意事項

本システムは統計的推論の出発点として位置づけられます。 以下の点を必ず遵守してください。

  • 事前の仮説設定: データ分析前に検証したい仮説を明確に設定する
  • 単一手法の選択: 研究目的に最も適した手法を一つ選択して実行する
  • 多重比較の回避: 複数の統計手法を同時実行して結果を比較することは避ける
  • p-hackingの禁止: 有意な結果が出るまで異なる手法を試行することは不適切
  • 選択的報告の禁止: 都合の良い結果のみを報告することは統計的に不正

最終的な手法選択は、研究目的、理論的背景、専門知識に基づいて慎重に行ってください。

R による分析

Reactive stat の内部には、上記分析手法の独自コードは内蔵しておりません。 全て、クラウドの R で分析を実行することになります。

R では、基本ライブラリにて分析を実行します。 そのため、目的変数や説明変数の型制限の拡張などには対応していません。

より高度な統計分析を行う場合には、R のスクリプトコードをクリップボード経由でコピーして、R studio に貼付してご利用頂くことができます。

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分析法の特徴一覧

手法 英語名 目的変数のタイプ 説明変数のタイプ 特徴 Wikipedia
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