データ形式: Long Format と Wide Format
Long Format と Wide Format の違いと用途
データフォーマットの比較
特徴
Wide Format
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Long Format
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具体例 (数学と英語のテスト結果)
Wide Format
名前 | 数学 | 英語 |
---|---|---|
太郎 | 80 | 75 |
花子 | 85 | 90 |
次郎 | 70 | 80 |
Long Format
名前 | 科目 | 点数 |
---|---|---|
太郎 | 数学 | 80 |
太郎 | 英語 | 75 |
花子 | 数学 | 85 |
花子 | 英語 | 90 |
次郎 | 数学 | 70 |
次郎 | 英語 | 80 |
Wide Format が適切な解析手法の例
- 対応のある群間検定 (対応のあるt検定、Wilcoxon の符号順位検定 など)
- 例: 同じ生徒の数学の点数を、ある教育方法の実施前と後で比較する。
- 理由: 各生徒の前後の測定値が同じ行にあり、個人内の変化を直接比較しやすい。
- 多変量解析
- ANOVA、ロジスティック回帰、ANCOVA、重回帰分析、多変量分析、主成分分析 (PCA)、因子分析 など。
- 例:
- ANOVA (多元配置分散分析): 学年、性別、学習方法が試験成績に与える影響を同時に分析する。
- ロジスティック回帰モデル: 生徒の属性 (年齢、学習時間、出席率) から合格/不合格を予測する。など
- 理由:
- 複数の変数間の関係を同時に分析し、交互作用や複雑なパターンを検出できる。
Long Format が適切な解析手法の例
- 対応のない群間検定 (t検定、Mann-Whitney U検定 など)
- 例: 異なる2つのクラスの数学の点数を比較する。
- 理由: 各観測値が独立した行にあり、群 (クラス) 間の比較がしやすい。
- 混合効果モデル
- 例: 生徒の成績に対する、教師の影響と生徒個人の特性の影響を分離して分析する。
- 理由: 個人内変動と個人間変動を同時に扱えるため。
相互変換方法
Wide format から Long Format に変換
- 手順
- 各対象の異なる変数や測定時点を、それぞれ新しい行に分けます。
- 変数の名前や測定時点を示す新しい列を作成します。
- 注意事項
- データ量が増えるため、行数が多くなり、データ管理が煩雑になる可能性があります。
- 変数や測定時点が多い場合、変換後のデータセットが非常に大きくなることがあります。
Long format から Wide Format に変換
- 手順
- 各観測の変数や測定時点を、新しい列として分けます。
- 変数の値を、それぞれの新しい列に配置します。
- 注意事項
- 変数や測定時点が多い場合、列数が増えてデータ管理が煩雑になることがあります。
- 多くの欠損値がある場合、解析が困難になることがあります。
まとめ
- Wide Format は、同じ対象の複数の特性を同時に比較したり、全体的なパターンを見出したりする際に適しています。
- Long Format は、時間経過による変化や、複雑な階層構造を持つデータを分析する際に適しています。