手術データの注入 - クリップボードからの注入
ここでは、NCD Helper の動作をご理解いただき、ご自身でマクロ作成などして最大限ご活用いただくために、敢えてベタな手順での注入操作をお示ししております。 読み飛ばして構いません。 お手元にすでにあるデータファイルからの利用方法はこちら から。
患者データ新規登録
ここでは、新規登録する場合のデータ形式について説明します。
患者データ新規登録画面で、クリップボードからのデータ注入を説明します。
NCD メニュー から 患者データ新規登録 ページ を開きますと、 右側に NCD helper のクリップボード連携のボタンと窓が追加されています。
クリップボードに、以下の形式のテキストをコピーします。
項目名と値の間は TAB または 半角スペース で区切ります。
1行目の @NCD_PtDataScraper@
は単にこれが注入用データであることを示すためのキーコードで、必ず必要 です。
データ形式 | 実際に注入するためのデータの例 |
---|---|
@NCD_PtDataScraper@ PATIENT_ID (患者ID) DATE_BIRTHDAY_YYYY (誕生年 半角4桁) DATE_BIRTHDAY_MM (誕生月 半角2桁) DATE_BIRTHDAY_DD (誕生日 半角2桁) SEX (性別: F/M) DATE_HOSP_YYYY (入院年 半角4桁) DATE_HOSP_MM (入院月 半角2桁) DATE_HOSP_DD (入院日 半角2桁) HOSP_outpatient (外来手術の場合0以外) DATE_OPE_DT_YYYY (手術年 半角4桁) DATE_OPE_DT_MM (手術月 半角2桁) DATE_OPE_DT_DD (手術日 半角2桁) | @NCD_PtDataScraper@ PATIENT_ID 12345678 DATE_BIRTHDAY_YYYY 2001 DATE_BIRTHDAY_MM 01 DATE_BIRTHDAY_DD 01 SEX M DATE_HOSP_YYYY 2015 DATE_HOSP_MM 01 DATE_HOSP_DD 31 HOSP_outpatient 0 DATE_OPE_DT_YYYY 2015 DATE_OPE_DT_MM 02 DATE_OPE_DT_DD 03 |
NCD の入力ページでは 年月日 をばらばらに入力する仕様ですが、扱いづらいので、
~YYYY
, ~MM
, ~DD
を
~YMD
の項目名に集約して注入できるようにしてありますので、以下の形式でも大丈夫です。
データ形式 | 実際に注入するためのデータの例 |
---|---|
@NCD_PtDataScraper@ PATIENT_ID (患者ID) DATE_BIRTHDAY_YMD (誕生年月日 YYYY/MM/DD 形式) SEX (性別: F/M) DATE_HOSP_YMD (入院月日 YYYY/MM/DD 形式) HOSP_outpatient (外来手術の場合0以外) DATE_OPE_DT_YMD (手術月日 YYYY/MM/DD 形式) | @NCD_PtDataScraper@ PATIENT_ID 12345678 DATE_BIRTHDAY_YMD 2001/01/01 SEX M DATE_HOSP_YMD 2021/01/01 HOSP_outpatient 0 DATE_OPE_DT_YMD 2021/01/04 |
上欄右側の @NCD_PtDataScraper@ から始まるテキストをクリップボードにコピーしてみてください。
(文字列をマウスで選択して、右クリック → コピー(C) します)
続いて、「データ注入」ボタンを押します。
そうしますと、クリップボード内のテキストがウェブページに注入され、変化した項目の背景がピンク色に変化します。
変化した部分の内容を確認し、「症例登録」ボタンを押しますとデータが登録されます。 (ここでは押さないでください)
その他のデータ入力
続いて、詳細データを入力する画面になりますが、こちらの画面でも、「データ注入」機能は有効です。
それぞれの項目に応じたデータを同様にクリップボードにコピーしておいてから「データ注入」ボタンを押します。
そうしますと、クリップボード内のテキストがウェブページに強制注入され、左図のごとく、変化した項目の背景がピンク色に変化します。
変化した部分の内容を確認し、「症例登録」ボタンを押しますとデータが登録されます。
すなわち、病院で管理している手術台帳から クリップボード経由でNCD 登録が行えるのです!
追加データを注入する際に、クリップボード内のデータに院内管理コードを含まれていた場合、 すでに入力済みの院内管理コードと違っていれば、患者取り違えの可能性がありますので、エラー表示のポップアップが表示されます。
左図は、院内管理コードが違うデータを注入しようとした場合の警告表示です(強制的に注入することもできます)。
非表示要素へのデータ注入
NCD Helper からは、非表示のウェブ要素へも、データ注入ができます。
例えば、助手がまだ登録されていない状態では、NCDウェブページには「助手」の入力欄が一つしか表示されていませんが、この状態からも手術の助手2名を同時に入力することができます。
実は、二つ目の入力欄は非表示に設定されているだけで、実際には存在しているために入力が可能なのです。
注入が行われると、そのウェブ要素は非表示から表示へと切り替わります。
消化器外科領域における、日本消化器外科学会の術式名の注入
この項目は NCD サイトにおいて、NCD 術式名に応じて動的に項目が設定されるという特殊な処理が行われており、その他とは異なりますので、特別な対応が必要となっております。
したがって、項目名を単純に指定することができません。
NCD Helper では、その動的に変化する項目名に対応してありますので、日本消化器外科学会 (以下、JSGS) の術式名の項目への注入が可能となっております。 別ページで解説しておりますのでそちらをご覧ください。
データ形式詳細
- 注入するクリップボード内のデータは、1行目が @NCD_PtDataScraper@ で始まる文字列でなくてはなりません。
- 2行目以降は要素ごとのデータになります。
- [項目名][TABまたは半角スペース][値][改行] の形式です。
- コピー元のアプリケーションは問いません。
- 例えば右図のごとく、エクセルでデータを作成して、その部分を選択しクリップボードにコピーすれば上記の形式となります。
- 項目名は、NCD が設定したウェブ要素名 を指定します。
- ウェブ要素名は、手術データの注入 - ウェブ要素名を確認するための補助機能 で確認できます。
- もしも、該当する項目が存在しない場合には無視されます。
- 注入するデータの値は、必ず適切なものでなくてはなりません。
- エラーチェック機能を備えていますが、不適切な値でも入力できてしまう場合があるので、十分注意してください。
術者・助手の入力
術者・助手などの医師名の入力欄では、自施設で登録されていない医師は NCD Helper から注入できないようになっています。
医籍番号と姓名のどちらか片方が指定されていれば、もう一方は NCD Helper が自動的に補完します。 医籍番号と姓名の両方を指定した場合、組み合わせが違っているとエラーになり注入できません。
例えば、手術1の術者を注入する場合、
@NCD_PtDataScraper@ proc1_surgeon1 123456:間 黒男 | @NCD_PtDataScraper@ proc1_surgeon1 間 黒男 | @NCD_PtDataScraper@ proc1_surgeon1 123456 |
---|
のいずれを指定した場合でも、123456:間 黒男 が注入されます。
日付の入力
NCD の入力ページでは 年月日 をばらばらに入力する仕様ですので、3つの要素を用いて注入します。
例えば、生年月日が 1947/6/13 の場合には
@NCD_PtDataScraper@ DATE_BIRTHDAY_YYYY 1947 DATE_BIRTHDAY_MM 06 DATE_BIRTHDAY_DD 13 |
---|
の3行を入力します。
ただしこれでは扱いづらいので、これらをまとめて、
@NCD_PtDataScraper@ DATE_BIRTHDAY_YMD 1947/6/13 |
---|
としても注入できるようにしてあります。
なお、存在しない日付 (例: 2021/2/29) はエラーとなり入力できません。
病名の入力
病名の入力には、病名コードを指定します。
NCD Helper が内部に一覧表を保持していますので、病名そのもので入力することも可能ですが、推奨いたしません。 その理由は、NCD がしばしば予告なく病名/術式名を修正 (全角/半角や空白文字の変更など) を行うからです。
なお、病名リストは毎年変更されておりますが、NCD Helper 内部の一覧表は自動的に更新されます。 ユーザーによる更新作業は必要ありません。
入院時診断が上行結腸悪性腫瘍の場合を以下に示します。
@NCD_PtDataScraper@ hosp_diag1_code C18.2 |
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これだけで対応する病名【結腸の悪性新生物<腫瘍>,上行結腸】も自動注入されます。
術式の入力
術式の入力にも同様に、術式コードを指定します。
NCD Helper が内部に一覧表を保持していますので、術式名で入力することも可能ですが、推奨いたしません。 その理由は、NCD がしばしば予告なく病名/術式名を修正 (全角/半角や空白文字の変更など) を行うからです。
なお、術式リストは毎年変更されておりますが、NCD Helper 内部の一覧表は自動的に更新されます。 ユーザーによる更新作業は必要ありません。
手術1が胃癌切除術の場合を以下に示します。
@NCD_PtDataScraper@ procedure1_code OQ0135 |
---|
これだけで対応する術式名【胃悪性腫瘍手術(広汎切除)】も自動注入されます。
一部の血液検査などの基準値から外れた場合にのみ実際の測定値を入力する項目の入力
に関しては、その値が各施設における正常範囲かどうかを自動判定させる機能があります。
患者イニシャルの入力
においては、先頭文字が全角/半角のひらがな/カタカナの場合は、ヘボン式ローマ字表記に従いアルファベットに自動変換されます。すなわち、「はざま くろお」さんを登録するときは下記のように
@NCD_PtDataScraper@ LASTNAME はざま FIRSTNAME くろお |
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は H , K に変換されて注入されます。 もちろん、もともと半角英字の場合は変換されずそのまま注入されます。
要素名リスト
以下の一覧表をご利用ください。