よくある質問 ~手術ビデオ専用サーバー~

ビデオファイルはなぜ圧縮するのですか?画質が下がりませんか?

大量のビデオファイルを、利用しやすい形で保管するためです。 圧縮後の画質はいわゆる「高画質720p」をデフォルトにしていますが、ユーザー様にて自由に設定できます。

手術で記録されるビデオは、現在は一般的にはフルHDで、今後4Kへの置き換えも進むことが予想されます。 そのファイルサイズは巨大であり、全てをそのままで永久保管することは現実的には非常にコストがかかります。 また、そのままだと取り回しが難しいため気軽に過去のビデオを参照することが困難です。

もちろん、一部の重要なものは未圧縮まま保存しておく必要がありますが、 それ以外は圧縮しても実用上の支障ありません。

本システムにおいては、設定にもよりますがフルHDの生ファイルから圧縮する場合はだいたい 1/5~1/10 程度にまで圧縮され、 しかも単一のファイルに結合されますので、 保管のコストが下がり、後日閲覧するのが容易になります。

サーバー機器はどこに設置するのですか?

サーバー機器は片手で運べるサイズのNASを院内に設置します。

運用時はネットワークはインターネットにつながっていなくても構いませんが、 セットアップにはインターネットに繋がっている必要がありますので、 セットアップが終了後に移設してください。

なお、DMZ(DeMilitarized Zone; 外部ネットワークと内部ネットワークの中間に設けられるネットワーク)に設置すれば、 院内の電子カルテからでもインターネットにつながった PC からでも閲覧できるようにすることは可能です。 それぞれの根とワークに応じた特殊な設定が必要ですので、院内のシステム担当者にご相談ください。 その場合、患者情報を扱うので、院外から閲覧可能とする場合には VPN を経由させるなど、セキュリティーを確保してください。

ビデオファイルの圧縮率などは設定できますか?

可能です。

実際に画質を確認しつつどの程度圧縮されるかを確認し、容量と各々の病院様の総手術時間を勘案しつつ、外科系医師の要望に応じて設定してください。

1台のサーバーでどの程度のビデオを保管できますか?

NASに搭載するハードディスク (HDD) の容量と構成、圧縮率で決まります。 例えば、RAID容量6TB で、おおむね5,000時間分の圧縮済みビデオを保管できます。

2022年3月現在入手可能な最大の HDD は 20TB ですので、DS920+ で4台用いれば 45,000時間、中規模病院なら10年分以上ものビデオが保管できる計算になります。

さらに、拡張ベイを合わせれば最大で9台の18TBを搭載でき、最大144TBのRAIDを組めますので、120,000時間分を保管できる計算になります。

構築費用 (初期費用) はいくらかかりますか?

NAS本体、増設メモリ、ハードディスク (HDD)、ソフトウェアの料金の合計となります。 6TB の HDD 2台で構築した場合には概ね20万円程度の構築費用となります。

EMYUN が各医療機関様からの指示にて機器を準備し、ソフトウェアのインストールまで済ませた製品を納品いたします。 お見積もりページ をご利用ください。

ランニングコストはいくらかかりますか?

本体のHDD容量がひっ迫すればその増設費用がかかります。

増設ベイが余っていればHDDを購入して差し込むだけになりますのでそれ以外の費用はかかりません。 余っていなければHDDを大容量のものと交換するか、拡張ユニット(DX517)を購入して追加する必要があります。

また、バックアップ用のUSB HDDもしくは「もう一台のNAS」の費用がかかります。 それ以外の費用は電気代のみです。

後でハードディスク (HDD) を増強できますか?

NAS本体に HDDの増設ベイが残っていれば、単に HDD を差し込むだけです。 余っていなければ拡張ユニット(DX517)を購入して頂きそこに増設する形となります。

また、HDDを一台ずつ差し替えてRAIDを再構築することで容量を増加することができます。 詳細は Synology のマニュアル DS920+, DS723+, DS923+ をご覧ください。

HDD1台あたりの容量は年々増加しており、容量単価は下がっておりますので、当初は無理のないサイズを選択しておき、後日必要に応じて増量もしくは入れ替えを行うことを推奨いたします。 具体的な手順はNASのマニュアルをご参照ください。

なぜ Synology DS723+ と DS920+ / DS923+ が推奨なのですか?

Synology社は実績のある信頼性の高いNASのメーカーで、高機能な機種を安価に提供しており、推奨できるメーカーです。 その内部にソフトウェアをインストールしてファイルサーバ機能を提供し、自動的にビデオファイルを圧縮する作業を行うのですが、 この時、ビデオの圧縮にハードハードウェアエンコーダーが利用できれば圧縮時間が劇的に(10倍程度)早くなります。 推奨の機種にはIntelのCPU Celeron J4125 ないし AMD CPU が使われており、ハードウェアエンコーダー機能が利用できます。

他のメーカーでも同様の機能がある機種であれば、ご利用いただくことは不可能ではありません。 ただし、EMUYNのサポート対象外となります。

民生用のNASで信頼性は大丈夫ですか?

十分な信頼性があると考えています。

NASの信頼性はハードディスク (HDD) の故障と、NAS本体の堅牢性、ソフトウェアの安定性によって決まります。 本システムは、24時間フル稼働かつ不特定多数の同時アクセスを想定するものではありませんので、過剰な負担がかかる恐れはありません。

NAS 本体には大型の冷却ファンが設置されていて、自己診断機能も内蔵されて故障しにくい配慮がなされており、実際の運用環境でも、温度上昇はわずかです。

また HDD にアクセスがない期間が続いた時には HDD を休止させるなど、寿命を伸ばすための機能が搭載されていますので、一般用のHDDでもあまり故障率に差がないなどコスト削減する上で非常に有利です (もちろん、24時間連続動作を前提とした高信頼HDDが推奨されますが、実際に故障率は個体差やロットによるものが大きいとされています)。 HDDの機種別故障率のデータはこちらのサイトにて確認できます。

停電にはどう備えれば良いですか?

必ず無停電電源装置(UPS)を利用してください。UPS と連携してシャットダウンする機能がありますので、適切に設定してハードディスクを保護してください。

データのバックアップはどうすればいいですか? RAID を組んでいるのでバックアップは必要ないですか?

たとえ RAID を組んでいても必ずデータのバックアップを行なってください!

確かにRAIDには冗長性がありますので、1台のハードディスク (HDD) の故障には耐えられますが、複数台の同時故障の場合にはデータを失ってしまいます。 同ロットのHDDが同じようなタイミングで故障するのはよくあることです。

なお、本システムではビデオデータは圧縮して保存しておりますので、この圧縮されたデータのみをバックアップすることで、万一に備える対応としては十分な場合がほとんどです。 圧縮されたデータだけを分割して外付け USB HDDにバックアップするためのスクリプトを EMUYN から提供しておりますので、これをご利用ください。 もちろん、予算の余裕があれば、バックアップ専用のNASを用意して自動バックアップさせれば安心かつ手間いらずです。

院内にシステムを管理する専門の担当者がいません

NASには製品に付属のマニュアルが充実していますので、専門でない方でも管理が容易です (ここが民生品を利用する利点です)。

設置を試みたがうまく動かせない場合には、メールでサポート致します。

電子カルテの手術データと連携できるということですが具体的にどうやるのですか?

電子カルテからダウンロードしたCSV 形式の手術データを読み込ませることで連携します。 CSV ファイルの1行目には項目名が必要で、項目には 手術日、患者 ID、病名、術式、術者、助手 が必要です。

それぞれの内容が複数のカラムに分かれている場合には、それらを結合する機能があります (病名1, 病名2, 病名3 をひとまとめにするなど)。 また正規表現を使って項目の内容の抽出や変換を行う高度な機能もありますので、通常は電子カルテから取り出した CSV をそのまま 読み込んで処理することができます。

なお、一旦設定すると記憶されますので、 同じ形式のデータファイルを読み込む際には再度設定する必要はありません。

院内 LAN には患者情報の閲覧権限のない職員も接続するのですが、セキュリティはどう確保しますか?

本システムでは、パスワードによるユーザー認証を行い、ログインしていないと患者情報を閲覧できないようになっています。

医師であっても所属科以外のビデオは見られないようにする設定は可能ですか?

ログインユーザーのグループごとに閲覧できる範囲 (ビデオを保存するフォルダ) を指定できますので、他科のビデオは見られないようするなど設定できます。 麻酔科医師や手術室看護師、病院の管理者にはすべてのビデオの閲覧権限を付与するなどの設定もできます。

また、各ユーザーには複数のグループを設定できますので、柔軟な閲覧権限の設定が可能です。

どのような動画ファイル形式に対応していますか?

一般的な動画ファイル形式にはすべて対応しています。

具体的には、ファイルの拡張子がmp4, m4a, mpeg4, mpg, mpeg, mov, avi, wmv, vob, webm, flv, mkvのものです。 まれに拡張子と実際のファイル形式が一致していないファイルもありますが、そのような場合でも問題ありません。

対応しているビデオファイルの形式の一覧はこちら

万一、お使いのファイルが利用できない場合にはEMUYNまでご相談ください。

圧縮後のビデオファイル形式は何ですか?

圧縮後のビデオファイルは、mp4 形式となります。 元ファイルが複数に分かれていた場合には、一つのファイルに結合されます。 結合の順序は、元ファイルのファイル名の辞書順です。

静止画ファイルには対応していますか?

ビデオファイルと同じフォルダに保存してある jpg, png は並べて表示されます。

圧縮後の動画ファイルをダウンロードしたり活用できますか?

圧縮前後いずれも動画ファイルをダウンロードしてPCに保管することができます。 また、キャプチャもできますので、論文その他での利用も容易です。

早送り再生はできますか?

5倍速までの早送り再生と、0.5倍速のスロー再生に対応しています。

ビデオの圧縮率は変更できますか?

変更できます。 ビデオファイルの圧縮率と画質は相反しますので、画質を確認しながら調整していただくことが可能です。

圧縮前の元ファイルを削除するタイミングは変更できますか?

変更できます。 手術日から削除までの日数は、30日以上の自由な日数に設定することが可能です。 当初は 180日など長めに設定しておき、HDD容量が逼迫したらその時点で短く変更することもできます。

音声は再生できますか?

手術ビデオでのご利用を前提としていますので、圧縮時に音声データは削除され、再生できなくなります。 これはファイルサイズを削減するためです。

必要であれば、音声を残すように設定を変更することもできます。

ビデオの圧縮にかかる時間はどのくらいですか?

full HDビデオを5倍速程度で圧縮できます。 すなわち、2時間の手術であれば 20~25分程度です。

圧縮済みのビデオは技術認定の審査に使えますか?

日本内視鏡外科学会の規定によりますと、圧縮自体は問題ないようですが、ファイルサイズの規定にかかる場合があります。 その場合は、圧縮済みのビデオファイルを分割してから提出する必要があります。